ORSAY

「タヒチの女」

69x90cm

1891年 油彩 カンヴァス 

ポール・ゴーギャン 

1848~1903

固形体と平面をいかに結びつけるかこれが後期印象派の画家が常に自問していたところと思われる。
スーラは点描法で,セザンヌは色による肉づけによって,この間題を解決した。ゴーガンはこの問題を解決するために,たびたび帯状浮彫の構図法を採用しているが,この絵では別の方法を使っている。
 帰敬構図によって人物は遠近法的に短縮され,水平線が除去され,その結果背景は前方にひき寄せられている。目の前に迫る人物のかたちは歪曲し,背景の実直ぐで単調な海岸線と対照的である。人物はわれわれに近く,大きな空間を占めているので,平面的であると同時に奥行きをもち,平坦であると同時に立体的である。この二要素の融合はことに左側の女において明確になされている。この女の横顔と腕は連続した1本の垂直線を形成し,一方,のばした脚とスカートは1本の水平線を形成し,画面の奥にひっこむ対角線のごとき役目を果している。そしてこの足と左隅にクローズアップされた手は互いにバランスをとっている。かくて,明確な輪郭線によって囲まれた大きな色面が,重なり合いながら抽象的な模様を形成し,同時に,肉づけと胴着の重量感の表現に役だっている。

  • Facebook - Black Circle
  • Twitter - Black Circle
  • Instagram - Black Circle

copyright©2010  Gallery Aoki all rights reserved.